毎年、ビジョン技術の実利用ワークショップでは、本活動の創始グループの一人である、故小田原豪太郎先生(東大)の功績を称えて、
最優秀論文に対して「画像応用技術専門委員会 小田原賞」を授与しております。
このたび30周年記念事業の一環として、これまでの22回(2016年12月現在)の小田原賞受賞者の中から、
最もインパクトのある受賞論文を「グランド小田原賞」として、以下の論文を選出しました。
青木公也、舟橋琢磨、輿水大和(中京大学)、三和田靖彦(トヨタ自動車(株))
「周辺視と固視微動に学ぶ「傷の気付き」アルゴリズム」
第18回(平成24年)「画像応用技術専門委員会 小田原賞」より
画像検査装置において,傷信号が残存するように照明・光学系を工夫し,高精細なカメラを用意することは可能となった.
しかし,傷検出処理は未だに一品一様であり,対象毎にノウハウを駆使して設計するのが一般的である.
一方我々は,個別事例に通貫した検査原理の機械化には,
製造と検査プロセスに通底した熟練検査員の注意・集中意識や視覚生理機構に対する学び・モデル化が必要であると考えている.
本研究では,視覚生理機構の一つである周辺視と固視微動に学び,周囲とは僅かに異なる傷・欠陥を発見するアルゴリズムを提案する.
実験より,提案手法は様々な目視検査対象における傷発見プロセスとして,汎用的に適用できる可能性があることを確認した.
<キーワード>外観検査,周辺視,固視微動,人の検査メカニズム
様々なワークの傷・欠陥の発見が可能(金網,鋳造品,布,金属ワークetc.)
「歴代のViEWの実行委員長」+「IAIP運営委員」が歴代の小田原賞受賞論文を全て読んだ上で、
「グランド小田原賞」に最もふさわしいものを投票した結果によって選出されました。
受賞者は2017年12月に開催されるビジョン技術の実利用ワークショップで表彰いたします。
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