特別講演2(3月6日 午前)
栗田多喜夫先生(広島大学) 題目:「確率的証拠に基づくパターン認識〜識別のための最適なカーネル関数〜」 |
1981年名古屋工業大学卒業. 同年電子技術総合研究所(現,産業技術総合研究所)入所, 副研究部門長等を経て,2010年より広島大学教授就任. カナダ国立科学研究協議会(NRC) 招聘研究員, 筑波大学(連携大学院)教授などを歴任. 注目発明賞,SSII優秀論文賞,MIRU最優秀論文賞, MVA Most Influential Paper など多数受賞. 電子情報通信学会フェロー.
■ 講演概要
サポートベクターマシン等のカーネル学習を用いる手法により, 比較的容易に非線形の識別器を構成することができるようになったが, 識別のためにどのようなカーネル関数が最適であるかについては必ずしも十分に理解されていない. 本講演では,大津が導出した判別基準を最大とする究極の非線形判別写像をベースに, 識別のための最適なカーネル関数について考察する. 究極の非線形判別写像で用いられるカーネル関数は事後確率を用いて定義され, ベイズ識別の結果とも符合する.実際の応用で,非線形判別写像を構成するためには, 事後確率を推定する必要があるが, 事後確率の推定方法を変更すれば様々な非線形判別写像や判別カーネルが導出できる. 線形判別分析では事後確率を線形モデルで近似しているが, 線形モデルでは事後確率を十分に近似しきれない. その欠点を克服するために事後確率をロジスティック回帰で近似する手法(ロジスティック判別分析)についても紹介する.
■ 司会
佐藤雄隆(産総研)