基調講演
ViEW2018では,各オーガナイズドセッションに関わる分野で活躍されている方々による基調講演を企画しております.
OS1-K 基調講演1
12月6日(木) 9:15 ~ 9:45 モノにも”指紋”がある~「物体指紋」を用いた個体識別と認証 |
概要:
均一に製造された工業製品にも,個々に唯一無二の特徴がある.物体表面には,工業製品ならその品質に影響しない微細なレベルで,ランダムな凹凸が自然発生している.これを適切な照明条件下で拡大撮影すると,人の指紋のように,個々を高精度に識別・認証可能な画像パターンが得られる.我々はこれを「物体指紋」と呼び,トレーサビリティや真贋判定,新たな認証手段への応用をすすめている.
略歴:
1998年,東京大学大学院工学系研究科修士課程修了(計数工学).同年,NEC入社.2008年,東北大学大学院情報科学研究科博士課程修了.博士(情報科学).ロボットビジョン,3次元形状計測,顔画像認識,農産物や一般物体の個体識別に関する画像認識・コンピュータビジョンの研究および事業開発に従事.現在,NEC データサイエンス研究所 主幹研究員.
オーガナイザー・司会:西山正志(鳥取大),柴田剛志(日本電気) |
OS2-K1 基調講演2-1
12月6日(木)11:00~11:30 ラグビー映像解析によるプレー分析の効率化とその応用 |
概要:
ICT(Information and Communication Technology)の発展により,スポーツ界ではICTを活用したトレーニングや戦術分析の導入が進んでいる.2019年ワールドカップの日本開催や,2020年東京オリンピックでも競技種目となるため注目度が上がっているラグビーを対象に,画像認識技術を活用したラグビー映像解析システムの開発を進めている.ラグビーは,選手の数が1チーム15人と多く,接触プレーや密集プレーが頻繁に発生するため,映像による分析には技術的な課題が多く,これまで積極的に取り組まれてこなかった.選手にセンサを装着すること無く,カメラでプレーの様子を撮影するだけで選手やボールの動き,プレーの自動分類を行うことができれば,練習や試合の現場で手軽かつ詳細な戦術分析が可能になる.さらに,技術的に課題の多いラグビーを対象に画像認識の基盤技術を強化することにより,その技術を他のスポーツ,さらにはスポーツ以外の産業分野へ幅広く応用することが期待される.ラグビーを対象とした映像解析の取り組みと,他のスポーツおよびスポーツ以外への応用事例について講演する.
略歴:
1998年早稲田大学大学院理工学研究科物理学及応用物理学専攻修了.同年(株)東芝入社.現在,研究開発センターメディアAIラボラトリー研究主幹.ウェアラブル/ユビキタスコンピューティングにおける状況認識技術とそれを活用したヒューマンインタフェース,およびメディアAI技術の研究開発に従事.情報処理学会理事,シニア会員,代表会員,ユビキタスコンピューティングシステム研究会運営委員(前主査).長尾真記念特別賞,山下記念研究賞など受賞.スポーツ映像解析に関する取り組みでは,第23回画像センシングシンポジウム(SSII2017)デモンストレーション賞,2017年度映像情報メディア学会技術振興賞進歩開発賞,第44回放送文化基金賞 個人・グループ部門 放送技術,第71回(2017年度)映画テレビ技術協会 技術開発奨励賞などを受賞.人間情報学会理事.博士(工学).
オーガナイザー・司会:望月貴裕(NHK技研),青木義満(慶應大) |
OS2-K2 基調講演2-2
12月6日(木)11:30~12:00 多視点ロボットカメラを用いた三次元映像表現の研究 |
概要:
多視点ロボットカメラを用いた多視点映像表現技術およびインテグラル立体映像技術についてご紹介します.多視点ロボットカメラは,複数のロボットカメラの協調制御システムで,1人のカメラマンが1台のカメラを操作し被写体を撮影すると,その他のカメラが自動的に空間中の被写体へ一斉に方向制御し,被写体の多視点映像を撮影するという新しい三次元映像撮影デバイスです.その撮影映像から時間を止めて視点が被写体の周囲を回りこむような多視点映像表現や,特殊なめがねが不要な自然な立体像であるインテグラル立体映像を生成することができます.これらのスポーツ中継やドラマなどでの使用例を交えてお話します.
略歴:
2006年,NHK入社.2018年,東京工業大学工学院情報通信系博士後期過程修了.博士(工学).現在,NHK放送技術研究所にて三次元映像の撮影及び処理技術の研究に従事.2006年 映像情報メディア学会 学生優秀発表賞,2011年 映像情報メディア学会 鈴木記念奨励賞,2014年 NHK会長賞(個人),2016年 公益財団法人通信文化協会 第61回前島密賞(個人),2016年 公益財団法人放送文化基金 第42回放送文化基金賞,各賞受賞.
オーガナイザー・司会:望月貴裕(NHK技研),青木義満(慶應大) |
OS3-K 基調講演3
12月7日(金)9:15~9:45 いつでもズームやピント調整ができる高速・高精度3次元形状計測手法の提案と実用化 |
概要:
講演者は,これまでに光と画像を用いた3次元形状計測の高速化と高精度化をめざして研究を進めてきた.レンズ収差などの系統誤差の影響が入らず,しかも高速に3次元計測ができる手法として「全空間テーブル化手法」を提案し,その実用化に取り組んできた.現在はそれを発展させて,ピント調整やズームがいつでもできる「特徴量型全空間テーブル化手法」を提案している.本講演では,これらの技術と実用化の例を紹介する.
略歴:
1992年3月大阪大学大学院基礎工学研究科物理系専攻機械工学分野博士前期課程修了.2001年4月博士(工学)授与(大阪大学)博士論文.
1992年4月株式会社森精機製作所入社,1992年4月株式会社ナブコ入社,1992年11月株式会社ナブコ技術開発本部研究開発センター,
1995年4月和歌山大学システム工学部創設準備室助手,1995年10月和歌山大学システム工学部光メカトロニクス学科助手,
2003年10月和歌山大学システム工学部光メカトロニクス学科助教授,2005年4月和歌山大学学生自主創造科学センター副センター長(併任),
2007年4月和歌山大学システム工学部光メカトロニクス学科准教授,2015年3月福井大学大学院工学研究科知能システム工学専攻 教授,
2016年4月福井大学学術研究院工学系部門知能システム工学講座教授, 現在に至る
オーガナイザー・司会:藤原孝幸(北海道情報大),楜澤信(AGC) |
OS4-K 基調講演4
12月7日(金)11:00~11:30 実世界で働くロボットのためのビジョン・言語処理技術 |
概要:
ロボットが実世界に活躍の場を広げるにしたがって,現実の環境を対象とした物体認識,ロボットビジョン,そして,ロボットとのコミュニケーションのための音声・言語処理技術はますます重要となってきている.本講演では,これらの要素技術を実世界タスクに応用する際のチャレンジ,そして,それらを統合的に扱うために必要となる技術や,解かなければならない課題について紹介する.
略歴:
2012年東京大学大学院情報理工学系研究科・博士後期課程修了.同年より米Apple Incにて自然言語処理関連技術の研究開発に携わる.2017年より(株)Preferred Networksにて,自然言語処理・ロボットの応用に関する研究開発に従事.言語処理学会会員.博士(情報理工学).
オーガナイザー・司会:秋月秀一(慶大),小室孝(埼玉大) |