特別企画セッション
現在の画像処理の実応用に関する最新トピックスについての特別企画です.SS1 世界を知り,産業に活かす
12月6日(木)15:20~16:50
オーガナイザー:片岡裕雄(産総研),宮澤一之(三菱電機) |
世界最先端を創り出す人が重宝されるように,先端技術を産業に応用すべく尽力 する人もまた重宝されるべきであろうと考えます.そこで世界水準の技術を自ら 研究開発し,積極的に産業応用に取り組んでいる講師の先生方をお呼びし,話題 提供いただきます.
SS1-1 基調講演1
ロボット・自動運転車へのDeep Learning技術応用 |
概要:
深層学習は画像・音声認識,自然言語処理などの分野で優れた性能を示しており,着実に実用化されているが,その適用範囲は今後さらに広がってゆくと期待されている.本講演では深層学習の適用分野の一つとして,ロボットや自動運転車などの機械制御を取り上げ,これまでに取り組んできた事例のいくつかを紹介する.最後に今後の研究開発の動向を議論する.
略歴:
2003年早稲田大学理工学部機械工学科 卒業.2005年早稲田大学大学院理工学研究科機械工学専攻修士課程修了.2005年早稲田大学客員研究助手.2008年早稲田大学大学院理工学研究科機械工学専攻博士後期課程単位取得退学.2008年独立行政法人理化学研究所脳科学総合研究センターリサーチアソシエイト.2011年独立行政法人理化学研究所脳科学総合研究センター研究員.2012年早稲田大学理工学術院次席研究員.2013年早稲田大学理工学術院助教.2017年株式会社デンソー入社.
SS1-2 基調講演2
Virtual Human Projects |
概要:
Sayaは,人間が人間という現実(リアル)を観察,触知,体験し,そこから得たエッセンスをデジタルデバイス上に少しずつ時間をかけて再現してきました.こうして,従来ながらのアーティストによるハンドメイドで生まれた彼女は,「ゆらぎ」と不確実性を持ち,独特の有機感を持った新しい個性として人間とは違う存在感を獲得してきました.今回はどういった流れで制作が行われてきたのか実例を交えながらご紹介いたします.
略歴:
1998年頃CG制作プロダクションでCGアーティストとして,ゲーム・映像を中心に3DCG制作を行い,2011年頃から,夫婦で3DCG制作を行うユニット「TELYUKA(テルユカ)」というアーティスト名で活動を開始.
GarateaCircus株式会社代表 https://www.telyuka.com/
共にCGゼネラリストアーティストとして,ムービー制作やキャラクターアセット制作を経験,現在はVritualHumanProjectsを中心にオリジナルヴァーチャルヒューマンから,実在する・していた人間のCG制作,そしてコンピュータグラフィックスの新しい活躍を願い,研究開発を進めている.
SS1-3 基調講演3
AIを活用した魅力工学研究とそのビジネス応用 |
概要:
「人の心に刺さる広告やCM動画を作るには」「ジョブズのように印象的なプレゼンをするには」「SNSでいいね数を集めるには」
このような,あるモノやコトを魅力的にすることはこれまでセンスがあり勘所を掴んだ一部の匠しかできないものとされてきました.我々は機械学習とビッグデータを組み合わせてそのような「魅力」の予測・解析・増強を行う研究をしています.本講演では特に産業応用に結びつきやすいと思われる研究事例を紹介します
略歴:
2004年3月 東京大学大学院工学系研究科電子工学専攻博士課程修了.博士(工学).
東京大学大学院新領域創成科学研究科基盤情報学専攻 助教,同大学院情報理工学系研究科電子情報学専攻 講師を経て,現職.
SS2 自然に挑む画像応用技術 ~農林水産業の現場でいかに役立つか?~
12月7日(金)15:00~16:30
オーガナイザー:滝本裕則(岡山県立大),戸田真志(熊本大) |
画像技術はますます深く,そしてその応用分野を広げている.そこで農業・林 業・漁業の一次産業に焦点をあて,実際の取り組みだけではなく,現状(現場) の課題やさらなる(画像)センシング導入の可能性について広く話題提供いただ きます.
SS2-1 基調講演1
植物の成長を見る・撮る・測る |
概要:
ゲノム解析技術の急速な進歩により遺伝解析や作物育種の高度化が進んでいる.ゲノム情報の活用は成長情報(植物体や種子の形状や色など)を大量に取得することが必要不可欠であり,画像技術を活用した成長情報の取得技術の開発と利用が欧米を中心に進んでいる.この技術開発は研究目的に応じて最適な情報を獲得する技術構築が課題である.本発表は,我々の技術開発の取り組みと画像技術を活用した今後の技術開発について紹介する.
略歴:
1995年株式会社日立製作所入社 画像技術に関連する研究開発に従事.2007年同社退職,2008年東京農工大学大学院博士課程修了 博士(工学),2008-2012年農業生物資源研究所,2012-2015年理化学研究所,2015-現在 かずさDNA研究所 植物科学や農学における植物を扱う研究を対象とした計測技術,情報解析技術の研究に従事.
SS2-2 基調講演2
海の可視化へのユーザー的視点からの整理:見えない海と生き物を見るために |
概要:
水中の視程は非常に短く,陸上に比べると常に濃霧の中にいるに等しいと感じている.そのため,海で何が起こっているかを知ろうとすると,高いコストと時間がかかる.今回,水産業に近いところで仕事(主に水産生物の現存量とその増減把握)をしている者のユーザー的な視点から,海とそこに棲む生物の可視化の問題点について整理を試みた.
略歴:
1985年3月東北大学農学部水産学科卒業,1985年4月北海道立網走水産試験場 研究職員,
1992年4月同中央水産試験場 研究職員,2001年4月同網走水産試験場資源予測科,
2005年1月東北大学農学部 論文博士(農学)取得,2005年4月北海道立中央水産試験場 資源予測科長,
2010年4月北海道立総合研究機構中央水産試験場 主査(資源予測)※地方独立行政法人化,
2013年4月同研究企画部 主幹,2016年4月同稚内水産試験場 調査研究部長,
2018年4月同中央水産試験場 資源管理部長,現在に至る.
SS2-3 基調講演3
LiDARを搭載したドローンによる森林毎木調査:スマートフォレストリーに向けて |
概要:
国土の7割を覆う森林は,資源としてはもちろんのこと,環境・土壌保全,災害防止,水源涵養,癒しなど人や動物の生きる環境としての重要な役割を担っている.しかし,森林手入れの担い手である林業では人手不足や経済的な問題を抱えており衰退の危機にある.これを打開するためには,森林価値を正確に算出し,施業の効率化や,サプライチェーンの見直しによる高収益化が必要である.本研究では,この森林資源の見える化のため,エンジン型ドローンにLiDARを搭載し,森林内を計測飛行することで,価値算出に必要なデータを計測する手法を提案し,その有効性を実証する.
略歴:
2001年東京工業大学大学院理工学研究科制御工学専攻博士後期課程修了.
同年,東京電機大学理工学部情報システム工学科助手を経て,04年同講師.
07年より同大学未来科学部ロボット・メカトロニクス学科准教授,現在に至る.
博士(工学).08~09年カリフォルニア大学バークレー校客員研究員.
制御工学,ロボティクス,メカトロニクスへの応用に関する研究に従事.
日本シミュレーション学会Research Award, Outstanding Presentation Awardなどを受賞.
IEEE,ASME,SICE,電気学会,機械学会,日本シミュレーション学会,日本ロボット学会などの会員