再考!最高!!画像処理!!! ViEW30周年記念

特別講演

特別講演1

12月6日(木) 17:00 ~ 18:00

「記号推論と機械学習を融合した予期知能に向けて」

 中島 秀之 氏 (東大特任教授.札幌市立大学学長)

概要
 AIはITの先鋒として様々な知的システムの構築を試みてきた. AIの初期は「記号」処理が知能の本質であると考えられていたが,知識の重要性に気付き, エキスパートの知識を取り込んだエキスパートシステムの研究が盛んとなる. しかしながら,エキスパートも言語化できない「暗黙知」の存在が明らかとなり,ここで暗礁に乗り上げる. これを解決できそうなのが,ニューラルネットワークの最新形の深層学習である. 深層学習は,大量のデータを必要とするが,それさえ与えれば勝手に学習するという意味で暗黙知の獲得が可能である. しかしながらそれは万能ではなく,ボトムアップな機械学習としての限界がある. トップダウン記号推論(これを「予期」と呼ぶ)との融合により,AIの更なる発展が期待される. この構想について述べる.

略歴
1983年,東大情報工学専門課程修了(工学博士).同年,電子技術総合研究所入所.2001年産業技術総合研究所サイバーアシスト研究センター長.2004年より2016年まで公立はこだて未来大学学長.2016年より東大先端人工知能学教育寄付講座特任教授.2018年4月より札幌市立大学学長.他に新エネルギー・産業技術総合開発機構技術戦略研究センター フェロー,理化学研究所「健康脆弱化予知予防コンソーシアム」会長.公立はこだて未来大学発ベンチャー「(株)未来シェア」取締役会長などを兼務.

司会:輿水大和(中京大,YYCソリューション)

特別講演2

12月7日(金) 16:50 ~ 17:50

「感性価値のメトリックとプロダクトデザイン」

 長田 典子 氏 (関西学院大学教授)

概要
QOLが問われる現代社会において,楽しさや感動といった心の豊かさをもたらす新しい科学技術がますます重要になっている.人の感じ方を定量化し,製品設計に役立つ客観的なものさし(メトリック)を作る感性価値指標化技術の研究を,多くの先進企業とオープンスパイラル型の連携をとりながら進めている.またこれらマスカスタマイゼーションの流れに加え,パーソナルファブリケーションと融合したデザインのための共創プラットフォームの構築にも取り組んでいる.深層学習や脳科学を取り入れた最近の研究を含め,30年の感性研究を紹介する.

略歴
1983年京都大学理学部数学系卒業.同年三菱電機(株)入社.産業システム研究所においてマシンビジョンの研究開発に従事.1996年大阪大学大学院基礎工学研究科博士後期課程修了.2003年より関西学院大学理工学部情報科学科助教授,2007年教授.2009年米国パデュー大学客員研究員.2013年感性価値創造研究センター長.2015年革新的イノベーション創出プログラム「感性とデジタル製造を直結し,生活者の創造性を拡張するファブ地球社会創造拠点」サテライトリーダー.博士(工学).専門は感性工学,メディア工学等.著書「感性情報処理」(共著)他.2013年文部科学大臣表彰科学技術賞(科学技術振興部門),2014年グッドデザイン賞受賞.

司会:橋本学(中京大),秋月秀一(慶大)