ViEW2017では一般セッションの他に,最新の画像処理技術についての特別企画セッションを用意しております.
12月7日(木)15:20~16:50 「未来を感じさせるクルマ・未来を見据えたテクノロジー」
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「未来のクルマ(完全自動運転車)が提供する未来の移動と画像認識」
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概要:
クルマは人間の指示通りに走る.同様にコンピュータに言われた通りにも走る.問題は人間以上に安全な指示を出すソフトウェアを開発し得るか否かである.人間以上の環境認識能力を持たせ,安全を確認し,運転に伴う判断や操作にも結びつける.これが自動運転の最重要開発項目の一つである.その開発には昨今のIoTやDeep Learningの発展が大きく貢献しており,そうした動向に関し画像応用技術の視点から概説する.
略歴:
1983年早稲田大学 理工学部 応用物理学科卒業,88年ハーバード大学 ビジネススクールMBA Alumni,同大学PIRPフェロー.83年日本電気㈱入社.パソコン事業に関連した海外事業,国内製品技術,及びソリューション事業関連で国内外の各種プロジェクト立ち上げ(ビデオオンデマンドやデータ放送関連,各種インターネット利用技術等に関する商品企画及び新事業開拓).2000年同社退職後,オンラインゲーム会社立ち上げを含む複数ベンチャーを立ち上げ,CEO歴任.04年日産自動車㈱入社.チーフサービスアークテクト兼プログラム・ダイレクターを経て,12年同社を退社し,インテル㈱入社.名古屋大学 COI 未来社会創造機構 客員准教授(兼務).
「未来の車はなぜ空っぽなのか」
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概要:
AIは,自動運転の実現に欠かせない技術です.さらにAIは自動運転によってもたらされる新しい運転体験そのものにも大きな役割を担っています.まるで空気のようなインタフェースをまとった未来のコクピットにAIがどのように関係するのかお話ししたいと思います.
略歴:
1990九州大学総合理工学研究科修了.1990日産自動車㈱総合研究所入社.
1999 筑波大学経営政策科学研究科企業科学専攻修了 博士(システムズ・マネジメント).
2016- 日産自動車㈱総合研究所エキスパートリーダ.
「近年の顔認証関連技術の動向と取り組み」
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概要:
顔画像を利用した個人認証技術である顔認証は,入出国管理や犯罪捜査などのパブリックセーフティ分野での安全・安心な社会づくりへの貢献が期待されています.本発表では,これまでのコンピュータビジョンの発展とともに実用化が進められた顔認証技術について概説するとともに,近年の顔認証技術の取り組みについて紹介します.
略歴:
2015年,慶應義塾大学大学院・理工学研究科にて博士号取得.現在,日本電気㈱・データサイエンス研究所にて,顔認証の研究開発に従事.
12月8日(金)15:00~16:30 「Beyond RGB ! 可視光を超えるセンシング技術」
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「イメージインテンシファイアを用いた深紫外光イメージング」
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概要:
微弱な深紫外光(200~300nm)領域のイメージングでは、真空管技術を用いたイメージインテンシファイア(映像増強管)を用いることで、フォトンカウンティングレベルの微弱な紫外光をイメージ化することができる。本技術は、深紫外光特有の微弱光発光現象をもつ環境計測などに活用されている。
略歴:
1986年 浜松ホトニクス㈱入社。
2012年 光産業創成大学院大学 博士課程修了。
TO‐8型光電子増倍管・小型蛍光相関分光装置・マイクロチップ等電点電気泳動装置・光マンモ用検出器・生物発光リアルタイム測定システムなどを開発。
「近赤外光イメージング -半導体故障解析への応用-」
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概要:
高集積化が進んでいる半導体では、故障が発生した場合、故障原因を調査し対策をうつために、半導体チップ内のどこで故障が発生しているかを調べて、詳細解析をおこないます。その際に、チップを動作させた状態で、故障箇所を見つけるために、シリコンに対して透明な赤外線を使ってシリコンを通して観察することがおこなわれております。
近赤外線は、半導体内部に形成されたトランジスタの動作状態やリークを観察するために、発光検出や、近赤外レーザの刺激に使われています。
中赤外線は、配線のショート箇所からの発熱を熱線として観察するのに使われます。
半導体の信頼性を向上させるために、これらの波長帯域の赤外線を使って、高感度に故障を検出する技術について紹介いたします。
略歴:
1985年慶応大学理工学部機械工学科卒業、同年、浜松ホトニクス株式会社入社。1990年アメリカ、マサチューセッツ州海洋生物学研究所にてレーザ走査型顕微鏡を開発、1997年NECとIR-OBIRCH装置を開発後、半導体故障解析装置開発の仕事に従事。ナノテスティング学会企画運営委員。日本信頼性学会会員。
「遠赤外光を活用したマルチモーダル画像センシング技術とその応用」
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概要:
近年、画像センサの技術的な進化や低コスト化を背景に、可視カメラに加え,遠赤外カメラを活用し,夜間や濃霧などの悪天候、または逆光や遮蔽などの悪条件下でも、監視や診断を行う用途が広まりつつあります.そこで,本講演では,可視カメラと遠赤外カメラの同時活用により実現される応用事例と,そのために必要な要素技術について,私たちの研究事例も交えながらお話ししたいと思います.
略歴:
2008年,日本電気(株)入社.
2017年,東京工業大学大学院,理工学研究科博士課程修了.(工学博士)
現在,日本電気(株)データサイエンス研究所にて,画像処理及び画像認識の研究に従事.
MIRU2010ベストインタラクティブセッション賞,MVA2011 Best Practical Award, SSII2014優秀学術賞,FCV2016 Best Paper Award, DIA2017研究奨励賞,各賞受賞.
「テラヘルツ波による電力機器・設備の非破壊検査技術の開発」
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概要:
光波・電磁波による非破壊検査は,評価対象機器に接触せずにその内部を評価する。X線蛍光分析によるコーティング内分析や,赤外サーモグラフィーによるコンクリート内診断などがその例である。テラヘルツ波は,各種プラスチックやセラミックのコーティングに対し良好な透過特性を持つ。当所では,この特性を利用し,火力発電所のガスタービン翼に施される遮熱コーティングの健全性評価,および,鋼材の塗膜下発錆検出に関する技術開発を行っている。
略歴:
1980年生。2009年3月早稲田大学理工学研究科博士後期課程修了,博士(工学)。2005年日本学術振興会特別研究員,2008年早稲田大学理工学術院助手,2009年情報通信研究機構特別研究員。2010年4月電力中央研究所入所,現在に至る。2011年より早稲田大学招聘研究員を兼務。テラヘルツ波など各種分光計測による絶縁材料評価及びケーブル劣化診断研究等に従事。2006年電気学会優秀論文発表賞,2013年電気学会論文賞受賞。