OS5 拡がる応用・支える基盤技術

  • 12/6(金) 11:00-12:35
    オーガナイザ・座長:橋本学(中京大)・佐藤雄隆(産総研)
     
    OS5-O1 監視カメラ映像における人物の学習型超解像
    ○西堀研人(名大),高橋友和(名大,岐阜聖徳学園大),
    出口大輔,井手一郎,村瀬洋(名大)
    概要:本研究では,防犯や事件の解決を目的として設置されている広域監視カメラシステムのための低解像度人体画像の学習型超解像について検討を行った.服装や姿勢の変化による人物の見えの変動は大きく,全てを網羅する高解像度の学習データを用意するのは困難であるが,予め人物を様々な方向から高解像度で撮影した学習用画像を実際の監視カメラ映像に適用することで,人物画像の画質を向上させることができた.
    <キーワード>監視カメラ,学習型超解像,人体画像,高周波成分




    OS5-O2 可観測性を考慮した3Dベクトルペア選択によるばら積み部品の位置姿勢認識
    ○秋月秀一,橋本学(中京大)
    概要:ばら積みされた物体の位置姿勢を高速・高信頼に認識する手法を提案する.提案手法は 3 点の3 次元点から構成された2 ベクトルであるベクトルペア特徴を用いた高速な認識手法である. 本研究では認識信頼性の向上のために,特徴点の選択基準として入力シーンにおけるベクトルペ アの可観測性を導入することで,約350 例の入力シーンに対して認識率95.9%を達成した.
    <キーワード>3次元物体認識,ポイントクラウドデータ,ばら積み部品


    可観測性を考慮した特徴点と認識結果例

    OS5-O3 土地被覆図校正のための風景画像データのカテゴリー推定
    岩田健司,○尾崎竜史,岩男弘毅,小島功(産総研)
    概要:自然・社会環境の分析に利用される土地被覆図は,6割程度の精度で校正が必要である.SDCPはインターネット上のデータを科学的検証に利用するプロジェクトであり,今回は,土地被覆分類の自動化のため,地球全球の4211地点における情景写真データを整備し、BoK及びSVMを用いた画像認識の実験を行った.ここにおいて,EMアルゴリズムによるサブクラス分類が有効であることがわかった.
    <キーワード>土地被覆図,風景画像認識,Bag of Keypoints


    整備した画像データの分布

    OS5-H1 多重解像度画像を用いた高次局所相関特徴による人物検出
    (IS2-D9) ○林亮佑,榎田修一,江島俊朗(九工大)
    概要:人物検出における局所勾配分布を用いた特徴量を提案する.局所領域における勾配分布の高次相関関係を多数の解像度画像に対して用いることで頭部や腹部までを内包する大域的な形状を扱う.本研究では,2段階の解像度画像を用いた特徴量と統計的学習器RealAdaBoostを組み合わせることで有効な特徴を選択及び検出性能の向上について検証した.
    <キーワード>局所特徴,高次局所相関特徴,多重解像度画像


    提案手法による検出結果

    OS5-H2 PLS回帰分析を用いた一般化Hough変換の検討
    (IS2-D10) ○竹内錬磨,加藤邦人(岐阜大),David Harwood,
    Larry S. Davis(University of Maryland),鈴木孝昌(岐阜大)
    概要:一般的なパターンマッチング手法では,ノイズや隠蔽等により認識が困難になってしまうことがある.それに対しHough変換は,ノイズや隠蔽等による画素の欠落に対して頑健である.本研究では,一般化Hough変換にPLS回帰分析を導入し学習機能を付加した.これにより,Hough変換の枠組みを持ちながら,一般物体検出を可能とした.本稿では,提案手法を衛星写真からの自動車検出両検出を例として,新たな物体検出手法を提案するとともに,実験を通して提案手法の有効性について考察する.
    <キーワード>Hough変換,PLS回帰分析,一般物体認識


    検出結果

    OS5-H3 生成型機械学習における交通信号機認識の精度向上
    (IS2-D11) ○上原康弘,子安大士,前川仁(埼玉大)
    概要: 車載カメラを利用した運転支援技術に,交通信号機の認識がある.機械学習を用いることで高い検出精度 が期待できるが,大量の学習サンプルをバランス良く用意する必要がある.そこで,本研究では交通信号機認識 に適した学習サンプルの生成を行い,学習サンプル収集コストの削減と精度の向上を図る.また,機械学習手法 についても検討を行う.実験では車載カメラを用い,学習サンプル収集コストと精度の比較を行った.
    <キーワード>高度交通システム, 機械学習, 学習サンプル生成


    信号機領域の検出結果画像例

    OS5-H4 人の動作と物体の関連性に着目した室内シーン変遷のロギングシステム
    (IS2-D12) ○池上貴之, 川北真也, 川本祥悟,松尾直志, 島田伸敬(立命館大)
    概要: 本論文では人の動作と物体の関連性に着目し,室内をモニターする中で起きる変化を検知して索引付けができるシステムを提案する.空間内の変化のうち物体が持ち込まれた・持ち去られた・移動したというイベントが検知可能である.既に保存されている人物が干渉した物体領域を手がかりとして検知の手法を提案する.また, RGB情報や深度情報, 人物Skeleton情報をネットワーク上の複数のクライアントに提供するセンサ情報サーバ(KinectServer)を実装した. 複数のKinectServerやWebカメラの情報, さらに複数センサの統合情報を集約する処理サーバ(プロセッサ)として従来のイベント検知アプリを実装した. 複数の地点にこれらの統合情報を提供できる可視化サーバ(VisualServer)を実装し, センサ・モニタネットワークインフラの構築を目指す.
    <キーワード>室内シーン理解,行動理解, センサネットワーク




    OS5-H5 遠隔注視点検出装置における眼鏡着用者対応のための近赤外光源の提案
    (IS2-D13) ○齊藤翔太,増田和也,福元清剛,海老澤嘉伸(静岡大)
    概要: 我々の開発している注視点検出装置では,高速度カメラ,2 波長2 重リング近赤外光源, 画像差分法などを用いて,暗闇から直射日光下までさまざまな環境での瞳孔検出ができる.しかし, 光源における明瞳孔用LED と暗瞳孔用LED の位置の違いにより,眼鏡反射は残りやすく,特に 瞳孔が小さくなる高照度下では,眼鏡反射を瞳孔として誤検出しやすくなる.本研究では,差分画 像における瞳孔輝度を維持させながら,眼鏡反射像が相殺されやすい光源を提案する.顔面照 度が,4 万ルクス以上において,眼鏡着用者の瞳孔検出率が,これまでの光源よりも向上したこと を実験的に示す.
    <キーワード>瞳孔検出,高速度カメラ,眼鏡反射,高照度


    高照度下における瞳孔・角膜反射検出結果