• IS1-A 医療・バイオ・知覚
  • IS1-A1(OS1-H1)

    (12/1より公開開始) 注視点検出法と瞳孔マウスの組み合わせによるPC入力法の提案
    ○袴田勇人,福元清剛,海老澤嘉伸(静岡大)

    重度の肢体不自由者のPC操作や意思伝達手段として注視点検出装置は長年にわたり研究開発されてきた.本研究では,PC画面上のユーザの注視位置が計測できる注視点検出装置とユーザの頭部の動きによってカーソルを動かす瞳孔マウスを組み合わせた新しいPC入力法を提案し,提案法,瞳孔マウス,注視点検出手法の3つの方法でソフトウェアキーボードを用いた文字入力実験(図1)を行い,入力時間,正確さ,操作性の比較を行った.その結果,提案法は総合的に最も優れた結果を示した.

    <キーワード>注視点検出,瞳孔マウス,ヒューマン・インターフェース


    実験風景

    IS1-A2(OS1-H2)

    CCTVカメラを用いた乱流状況下での煙検出
    ○岩藤那留,寺田賢治(徳島大),遠藤義英,中野主久,山岸貴俊(能美防災)

    監視カメラを用いた乱流状況下での煙検出手法を紹介する.乱流状況下では,同じ領域に継続的に煙が存在しない為,SVMを用いた局所領域における煙の一次判定を,比較的短い間隔で行う.更に一次判定の判定回数と,乱流状況下特有の空間的広がりを考慮した二次判定を行うことで,最終的な煙検出判断を行った.結果として,乱流状況下における良好な煙検出手法を構築する事が出来た.

    <キーワード>煙検出,乱流状況下,SVM


    乱流状況下での煙検出結果

    IS1-A3(OS1-H3)

    ミラーアレイを用いたライトフィールドセンシング
    ○小室 孝(埼玉大),久次米亮介,陶山史朗,山本裕紹(徳島大)

    本研究では,ミラーを格子状に並べたミラーアレイを用いて広い視点位置でライトフィールドを取得し,任意視点映像の生成を行う手法について初歩的な検討を行った.物体から発せられた光線は,格子側面のミラーで反射し,カメラに入射する.カメラで取得した画像から,ライトフィールドの一部を取得することができ,開口合成により任意視点映像の生成を行うことができる.直交ミラーアレイを用いて実験を行った結果,狭視野ではあるが,異なる視点からの映像が再現された.

    <キーワード>コンピュテーショナルフォトグラフィー,多視点映像, 自由視点映像


    ミラーアレイによるセンシング

    IS1-A4(OS1-H4)

    頭部推定の繰り返しによる頭部・胴体の位置姿勢検出
    ○鳥居寛,野上敦史,冨手要,塚本健二,真継優和(キヤノン)

    Felzenszwalbら[3]のパーツベースモデルに基づいた2種類の検出器を統合し,新たな頭部検出器を構築した.それぞれ,視点別に学習した頭部検出器と, Felzenszwalbらの全身検出器である.この全身検出器はより多様な姿勢にも対応できる.両検出器とも頭部枠を推定するので,スコアと枠の重複度に応じて検出結果を統合する.これにより片方の検出器が他方の結果を検証する.構築された検出器は,胴体の傾きをも推定できる.PASCAL VOC [6]のPerson Layout Competitionにおいて過去最高の頭部位置推定精度を誇る.

    <キーワード>人物検出,頭部推定,姿勢変動

    IS1-A5(OS1-H5)

    シイタケ等級判別のための襞領域抽出
    ○萩沢武志(はこだて未来大),戸田真志(熊本大),
    松村一弘,佐鯉輝育(北海道立工業技術センター),福田将仁(福田農園)

    生シイタケの自動等級付けシステムの開発を目的に,以下のようなシイタケ画像から傘の開きを判別する手法を提案する.新鮮な生シイタケは傘と襞が同様な色をしており,傘を直接抽出することが難しい.提案手法では,輝度勾配ベクトル方向を用いて襞の領域を抽出し,それを元にシイタケの傘の開きを判定する.襞抽出には,襞領域の輝度勾配ベクトルはシイタケ中心からのベクトルに対して直交する性質を用いる.この性質を持っているかを評価する評価関数を用いて,襞領域を抽出する.

    <キーワード>画像解析,等級判別,シイタケ


    シイタケ画像例(615×461,24bitRGBカラー)

    IS1-A6

    顕微鏡画像中におけるミトコンドリアの状態判別
    ○新田和馬,寺田賢治,新垣尚捷(徳島大)

    17世紀の中頃,顕微鏡により発見された細胞は生物における最も基本的な構成単位である.近年では,科学技術の発展に伴い,電子顕微鏡や光学顕微鏡などが発明されたことで,より研究が盛んに行われている.その中でも,ミトコンドリアは近年注目を集めている細胞内器官の一種であるが,その状態を判別する方法には時間やコストなど幾つかの問題点がある.本研究ではそのような問題を解決する方法として,画像処理を用いて画像中に含まれるミトコンドリアを検出し,その状態を判別する手法を提案する.

    <キーワード>ミトコンドリア,画像処理,状態判別


    状態判別システムの流れ

    IS1-A7

    進化的手法による細胞核検出およびセンシングに関する基礎研究
    ○佐藤惇哉,明石卓也(岩手大)

    本研究では,指定された細胞内の細胞核を高速,高精度に検出し,細胞核のセンシングが可能な手法を提案する.また,細胞核と細胞質の領域を分離することも目的のひとつである.本手法では事前に指定された細胞上に探索領域を設定し,進化的手法を用いて,細胞核の検出と同時に細胞核の大きさや形状などの情報を取得する.実験により本手法の有効性を検証した.

    <キーワード>細胞核検出,進化的手法,テンプレートマッチング


    検出結果例

    IS1-A8

    多色蛍光イメージングによる経時観測データのための細胞追跡手法
    ○瀬尾茂人,間下以大,前田栄,竹中要一,石井優,松田秀雄(阪大)

    さまざまな分子や細胞を可視化するバイオイメージング技術の発展は目覚ましく,医学・生物学研究を進めるうえでますます重要性を増している.本研究では, 2色の蛍光タンパク質で細胞周期の可視化を行った経時観測イメージングデータを対象とし,細胞の動きと増殖を自動追跡し様々な統計量を抽出するための方法を提案し,その有効性を評価するとともに得られた結果の考察を行う.

    <キーワード>バイオイメージインフォマティクス,蛍光顕微鏡,トラッキング


    細胞の周期と移動の軌跡

    IS1-A9

    連続切片病理画像における位置合わせと細胞カウント
    ○永田毅(みずほ情報総研,筑波大),不破敦(みずほ情報総研),
    加藤光保,青山知恵,稲田紘子(筑波大)

    組織を物理的にスライスした連続切片画像には,局所的な歪みが含まれているため,細胞の位置合わせが困難である.また,隣接する細胞核が重なると,汎用の画像解析ツールでは分離できない事が多く,細胞カウントや,細胞単位で位置を合わせた構造解析が困難であった. そこで,我々のグループでは,局所的な歪みにも対応できる位置合わせ手法と,重なり合った細胞核を分離してカウントする手法を開発し,三次元組織内部の細胞数を統計的にカウントするシステムを開発した.その結果,従来は目視で確認するしかなかった連続切片画像について,精度よく位置合わせと細胞カウントが行えることを確認した.

    <キーワード>医療画像処理,位置合わせ,細胞カウント


    組織ごとの細胞カウントの一例

    IS1-A10/span>

    大腸NBI拡大内視鏡画像診断支援システムにおけるタイプ識別部のハードウェア化に対する考察
    ○重見悟,三島翼,小出哲士,玉木徹,Bisser Raytchev,金田和文,
    小南陽子,宮木理恵,松尾泰治,吉田成人,田中信治(広島大)

    本研究では,大腸NBI(Narrow Band Imaging)拡大内視鏡画像診断支援システムにおけるSupport Vector Machine (SVM)を用いたタイプ識別部のハードウェア設計の考察を行う.SVMは高次元の積和演算を必要とするため,我々はハードウェアリソースを削減するために固定小数点でのFPGA実装を行う.小数部のbit幅と識別精度のトレードオフについてシミュレーションを行い,小数部に必要なbit幅について考察する.また,SVMの判定における2手法(多数決手法,確率推定手法)についての識別性能の違いについても考察する.

    <キーワード>Support Vector Machine (SVM),固定小数点,ハードウェア実装,FPGA


    大腸NBI拡大内視鏡に基づく認識アルゴリズムの概要

    IS1-A11

    大腸NBI拡大内視鏡画像診断支援システムにおける特徴量抽出のハードウェア化に関する考察
    ○三島翼,重見悟,小出哲士,玉木徹,BisserRaytchev,金田和文,
    小南陽子,宮木理恵,松尾泰治,吉田成人,田中信治(広島大)

    本研究では,大腸NBI(Narrow Band Imaging)拡大内視鏡画像診断支援システムの特徴量抽出部のハードウェア設計について述べる.提案手法では,特徴量抽出部にDense Scale-Invariant Feature Transform (DSIFT)を採用する.リアルタイムFull HDの高解像度画像の処理にはFPGA実装による高速化と特徴量抽出の精度のトレードオフを考える必要がある.本稿では輝度勾配算出法のハードウェア向けアルゴリズムを開発するとともにその有効性をシミュレーションにより評価した.

    <キーワード>Dense Scale-Invariant Feature Transform (DSIFT),輝度勾配,ハードウェア実装,FPGA


    大腸NBI拡大内視鏡画像診断支援システム

    IS1-A12

    Webカメラ内蔵型ノートPC等の携帯端末におけるVDT症候群予防のための瞬きを促すアプリケーションの提案
    ◯鶴岡浩平,戸田健,鄭一(日大)

    近年,パソコン利用時において,瞬きの頻度減少に伴い,目が乾燥することでVDT症候群,特にドライアイとなる事が問題となっている.そこで本研究では,パソコン利用時におけるVDT症候群防止のためのシステムを提案する.提案するシステムは,瞬きを検出する機能と検出した瞬きの時間間隔に応じて瞬きをユーザーに促す機能から構成される.実証実験を通して本用途における様々な瞬き検出手段,及び瞬きを促す手段の有効性について検証を行う.

    <キーワード>ドライアイ,VDT,瞬き検出


    機能構成

    IS1-A13

    ERにおけるチーム医療の行動解析手法の検討
    ○高橋勇佑(筑波大),,依田育士,大西正輝,黒嶋智美 (産総研),
    川島理恵(埼玉大),織田順,三島史朗,太田祥一,行岡哲男(東京医科大)

    救命救急センターの実環境において,医療者の動線,行為および会話から解析を行う手法について検討を行った.医療者の動線における静動の分離,会話における発話単位での意味の分類がERの分析において重要であることが,判明した.また,これらの特徴からチームの余力という側面に注意して分析することで,最適人数について考察を行った.

    <キーワード>動線解析,会話分析,行動解析


    ERに設置された撮影システム

    IS1-A14

    クリニックの診療支援を目的とした患部画像データベースシステムの開発
    ○塙拓人,陳保旻,戸田健(日大),
    藤多和信(藤多パークサイドクリニック),井手口直子(帝京平成大)

    クリニックにおいて電子カルテの導入が進んでいるが,医師から運用上の自由度を高めた患部画像のみを扱うシステムの依頼があった.このシステムが完成すれば,医師だけでなく患者も自宅などから患部を撮影・閲覧できるともに電話診察にも有用である.そこでスマートフォンやタブレット端末から画像の撮影,情報入力,閲覧,検索が一度に行えるシステムを試作した.

    <キーワード>クリニック,患部画像,データベース,医療診断,電子カルテ


    システム構成