• IS1-B ITS
  • IS1-B1

    料金収受システム向けステレオ車両検知の開発
    ○青木泰浩,高橋雄介,佐藤俊雄(東芝)

    ITS向けの画像処理応用アプリケーションとして,ステレオ視による距離情報を利用して車両の通行台数を計数するセンサを開発した.車両位置(進入・滞留・退出)の推定には,車両の進行方向に画像を複数に分割し,分割領域毎の車両判定結果を統合する方式を用いた.車両の通過は車両位置の遷移を判定して計数する.また,屋外設置のカメラセンサに対する性能劣化の要因には,照度条件や,影や雨等の天候条件および外乱に対するロバスト性不足が挙げられることより,前述の条件を含む約10,000台の評価データにて検証を行い,99.99%レベルの計数精度となることを確認した.

    <キーワード>ステレオ法,車両検知,画像センサ


    金収受システム向け車両検知器外観図
    (左:透過型赤外センサ,右:ステレオカメラ式)

    IS1-B2

    渋滞における複数部分の認識に基づく車両検出
    ○水谷譲,長谷川為春(千葉工大)

    本研究では,Haar-like 特徴を弱識別器としたAdaBoost を用いて車両の一部分を複数箇所学習し,検出状態に応じて処理を変更することによって渋滞した車列の個々の車両領域を得る.画像処理を用いた車両検出では,車両の隠蔽や影が大きな問題となるが,この認識手法によって車両の隠蔽や影の誤検出を抑制する.また,検出された車両の一部分と隠している車両の関係から隠蔽にも対処する.実験により,提案手法の有効性を検証する.

    <キーワード>渋滞,隠蔽,車両の部分学習,車両の検出


    実験結果

    IS1-B3

    輝度分布特徴による物体表面特徴を考慮した車載向け単眼カメラ3次元計測システム
    ○佐藤卓也,長崎健(はこだて未来大),戸田真志(熊本大),
    大塚聡(ルネサスエレクトロクニス)

    特殊な環境や装置を用いることなく,現在自動車に取り付けられている単眼カメラとテールランプやバックライトのみによる後方三次元計測システムを提案する.計測方法は光源の分布が正規分布を成すと仮定し,拡散する輝度分布をEMアルゴリズムにより正規化,それにより抽出したピーク点とカメラレンズ,光源座標の3点により三角測量の原理により距離の計測を行う.また二種類の光源を利用し,観測対象がテクスチャを持っている場合の観測光再現手法を提案する.

    <キーワード>EMアルゴリズム,三角測量,輝度分布


    測定座標系

    IS1-B4

    高速度カメラを用いた高速道路における異常走行検出
    ○稲生優人,中沢実(金沢工大)

    高速道路を走行する車両の移動方向を取得し,事故に繋がる動作の検出を行うシステムを提案する.道路に高速度カメラを設置し,接近する車両を撮影した映像にSpace-Time Patch特徴を利用した物体の移動方向検出を行った.高速度カメラを用いることで高速で接近する車両の動作を鮮明に捉えることが可能となり,移動方向の遷移検出実験から本手法が正常走行と異常走行(規制車線への接近)の識別を行う手法として有用であることを確かめた.

    <キーワード>ITS, 高速道路, 異常走行検出


    高速道路の車線規制時における事故

    IS1-B5

    車載魚眼リアカメラを利用した車線逸脱警報の耐環境性能向上
    ○竹村雅幸,今井正人,清原將裕,村松彰二(日立製作所)

    低コスト化の流れをうけ,駐車支援などを目的とし車両に搭載が進んでいるリア魚眼カメラを用いた予防安全機能に注目が集まっている.その中でも,搭載義務化や安全性能基準の評価内容への早期採用が期待される車線逸脱警報について述べる.本開発では,レンズ状態を画像から診断し,この結果に応じた性能向上のためのアルゴリズムを適切に適用することで,車線認識機能の耐環境性能を向上することに成功した.

    <キーワード>車載リアカメラ,車線認識,耐環境性能,水滴,汚れ


    レンズ状態マップ

    IS1-B6

    横断歩道における視覚障害者歩行支援機器の開発
    ○浅見拓哉,角田興俊(東京電機大)

    視覚障害者が安全に街中を歩行することを可能にする歩行支援機器を開発する為,画像処理技術を利用したシステムを提案する.最初に視覚障害者が横断歩道において恐怖心を抱かずに安全に横断する事が出来る画像処理プログラムの作成を行う.横断歩道を横断するのに必要な情報を画像から取得し,その状況に適した指示を視覚障害者に与える.

    <キーワード>正規化相関法,視覚障害者,白線検出


    歩行者信号検出

    IS1-B7

    LED送信機とカメラ受信機による光車車間通信システム
    ○高井勇,原田知育,安藤道則(豊田中研),
    宋松,安富啓太,香川景一郎,川人祥二(静岡大学)

    次世代の新しい通信技術確立を目指し,LEDを送信機,カメラを受信機とする無線型の光通信システムを開発している.本システムのカメラ受信機に内蔵する光通信イメージセンサ(OCI)を独自に開発し,10Mbpsの高速伝送を実現した.更にこのOCIを搭載したカメラ受信機とLED送信機によって構成される光車車間通信システムを構築し,実走行試験を実施した結果,通信が確立され,画像クラスの大容量情報の伝送が行えることを確認した.

    <キーワード>LED送信機,カメラ受信機,イメージセンサ通信,光車車間通信


    光車車間通信システムの構成

    IS1-B8

    LED警光灯の視認性向上のための感性指標に基づく点滅パターン解析
    ○飛谷謙介(関西学院大),下斗米貴之(玉川大),猪目博也(関西学院大),
    藤澤隆史(長崎大),饗庭絵里子(産総研),長田典子(関西学院大)

    緊急車両の走行支援装置である警光灯は,最近になりLED を用いたものが増えている.LED警光灯の場合,従来の回転以外の様々な点滅パターンを設計可能である.そこで本研究では,安全性向上のため,視認性の高いLED 警光灯点滅パターンの開発を目的とし,点灯時間,滅灯時間,立ち上がり波形を様々に組み合わせた点滅パターンをマイコンで制御したLEDで表現し,LEDの点滅パターンを作成し視認性評価実験を行った.その結果,目立ちやすさという感性指標には,点灯時間よりも滅灯時間が大きく影響していることが明らかになり,理想的な点灯時間と滅灯時間の組み合わせを導出した.

    <キーワード>視認性,LED,点滅パターン


    点灯時間 / 滅灯時間の視認性マップ